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ヒッチハイク

 

さて、この頁ではヒッチハイクの説明をしよう。

大 学に入ってきたばかりの新入生諸君はまだヒッチハイクの経験はないかと思う。我々が一体「どこで」「どのようにして」車を捕まえるのかというのは諸君の重 大な関心事ではないかと思う。基本的には、ヒッチハイクを街中でやることは少ない。主に高速道路の大きなSA(サービスエリア)間を移動している。乗せて もらうときの交渉時に、「次の大きなSAまでお願いします。」というのである。もちろん、徒歩や自転車で高速道路内に入ることは法律で禁止されているた め、高速道路内に入るためにI.C(インターチェンジ)で、つまりこれから高速に乗ろうとしている車を、捕まえるのである。

車を捕まえる方法は、いたって シンプル。諸君の中には、握りこぶしから親指を立てて「例の」ポーズを思い浮かべる人が多いと思うが、我々はあまりそういったことをしない。B5のノート の見開きに、行きたい場所をマジックで書き込み、それを持っているだけである。(もちろんアイコンタクトぐらいはするが・・・)「そんなので車は止まって くれるのか。」と思うかもしれないが、止まってくれる。早ければ5分。長ければ10時間。(もちろんやる人の腕によるが。)

SAの出口で待つこと 一時間。いい加減痺れを切らし直接交渉にかかる。「さぁ、十分休憩をとったね。じゃ行こっか。」などど車に乗り込もうとする人に直接、「あの~すいませ ん・・・」と話しかけるのである。実は、直接交渉のほうが打率は相当高い。ざっと、「どこでどうやって」を説明してみたが、まだまだほんの障りしか書いて ない。いや、書かなかった。具体的なテクニックやコツといったものは少なからず存在する。それは追々、我々が少しずつ手ほどきする。このようなこともあ り、ボヘミアンのメンバーはほとんどが少なくとも一度はヒッチハイクを経験している。

次に、ヒッチハイクの旅はどのようなものなのか、を説明しよう。 どうだろう、旅で一番頭を悩ませる交通費がかからないのだ。さらにものの5分で車を捕まえることができたら最高だと思うだろう。 し かし、ヒッチハイクの旅はそう甘くない。いつもいつもそう簡単に車が捕まえられるわけでもないし、乗せてもらったら、ヒッチハイカーとしてやってはいけな い禁忌も存在する(居眠り等)上、旅の性質上同行者はなし、または一人といったとこである。静岡の田舎のSAで一人放置プレイなんてことも多々ある。寂し さとの戦いもある。そして最大の苦労は、車内での会話である。同世代のドライバーに乗せてもらい、話が弾み、あぁもう着いてしまったのかということもあれ ば、共有するネタなど存在しなさそうな50ぐらいのおっさんと無言の数時間を過ごすこともある。「疲れて るんだろ。到着まで寝てていいよ。」なんて言ってくれる(人もいるが)人ばかりではない。深夜に乗せてくれる人は、少なからず「眠気覚まし」として拾って くれるのであって、トークを頑張らなければならない。ただ降りるときに「ありがとう。おかげで眠くならなかったよ。楽しかったよ。」と言われると、お互い 気持ちよく別れられるのである。 時には、相手の名前も知ることなく終わる一瞬の邂逅である。

旅がいつもうまくいくとも限らない。では我々はなぜそんな旅をするのか。その答えの一部でも垣間見ることができると思うなら、一緒に旅に出ようではないか。 文責 佐藤宏樹

 

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