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洞窟探検

 

ボヘミアンの活動を語る上でこれははずせない。洞窟探検。僕たちに残された数少ない秘境、未知なる穴を探求するという行為。ロマンをかきたてますな。

この洞窟探検、ボヘミアンでは毎年6月ごろに行なわれるのだが、ここでは去年の話をすることにしよう。6月17日快晴、皆この日ばかりはきびきびと動く。朝8時、事前に手配した2台のレンタカーに人数分の懐中電灯とヘルメットを載せ、車は目的地の三重へと出発する。まずは途中経由でもう一つの目的地、岐阜にある養老天命反転地へと向かう。公園全体で一つの芸術作品になってるようなところである。僕はこの心のテーマパークで「極限で似るものの家」における視覚的倒錯や「楕円形のフィールド」における平衡感覚の流動性などの非日常の働きかけを全身で味わうことにより人間本来の感覚を再確認し深い感銘を受けた。はずもなく出発。

そして、僕たちはその日のうちに三重へと入り、洞窟付近のキャンプ場でバーベキュー。無数の星と蛍に目がくらむ。洞窟への期待に胸を膨らまし、僕たちは眠りにつく。

早朝、冷え込んだ空気の中、車に乗り込む。まだかまだかと車を走らせ、 ついに車は目的地へ。地元の人の案内の元洞窟を目指す。蛭との格闘の末急な沢を登ると、僕たちを待ち構えていたかのようにそれは佇む。入口はとても狭く、 暗い。しばらく休憩をしてから、僕を先頭についに足を踏み入れる。ひんやりとした空気が静かに頬を打つ中、ヘッドライトを頼りに少しずつ前へと進む。

しば らく冷たい水に足を浸しながら進むと、水流から逸れ上陸。だが、まだ安心できないぬちゃぁ・・ぬちゃぬちゃ・・・グラナだ。グラナが何であるかは僕の口か らは到底言えない。グラナにまみれながらも前へ前へ。地図はグラナまみれでほとんど読めない。袋に入れてこれば良かったと後悔しながら、何とか読図を行 う。奥へとつながる道は二つのようだ。一方を往路に、もう一方を復路にし、進むことにするが、進むべき道は明らかに幅が狭い。両側の壁を支えに匍匐前進の 体勢で僕一人偵察へ・・・。進むにつれて幅が狭くになり、空洞も下へと向かっていく。地図に依ればあと少しのはずだ。しかしこれ以上進むと間違いなく後退 ができなくなる。・・・やむなく引き返し、もう一方の道から奥へ。この時ばかりは死にうると思った。

なんとか、全員が地図に載っている最奥の空間へ辿り着く。しばらく談笑する。僕を含め数人はもう少し奥へ行くが、なかなか進みがたい。佐藤(だったと思う)はここで大量の蝙蝠を見たそうだ。僕は嘘だと密かに思っているが、真偽は闇の中。

帰り道は寒いし疲れたから、とにかくめんどくさい。全員くたくたのどろどろになって車まで帰る。そして、僕らは満足とともに温泉へと車を走らせるのだ・・・ 文責 梶原伸吾

 

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